子供のおやつについて おやつ=甘いお菓子ではない!
都立大学駅から徒歩4分にある小児歯科【nicoキッズデンタルクリニック都立大学】です。
おやつというとどんな食べ物をイメージされますか?そして普段、お子さんのおやつはどんなものを与えていますか?
スーパーに行くと美味しそうなお菓子がたくさん並んでいますね。テレビCMでも新しいお菓子が次々と宣伝され、店に行くと食べたくなってついつい買ってしまいますね。 子供も大人も、甘いものが好きな方はたくさんいらっしゃるかと思います。とくに毎日歯磨きしているのに、歯科医院でむし歯や歯肉炎だと言われた経験がある方は要注意。
むし歯や歯周病は生活習慣病とも言われているように、実は歯磨きだけでは防げないことが多いのです。 甘いものを食べるとむし歯になりやすいことはご存じの方も多いと思いますが、甘いものが決してだめというわけでもありません。
本日は、甘い食べ物との付き合い方を知り、おやつとは何か?またお子さんへのおやつの与え方についてご説明いたします。
本来、おやつとは何か?
おやつ=お菓子というイメージをお持ちの方は考え方を見直さないといけません。 お子さんのおやつ(補食)というのは、本来3度の食事で補えなかった栄養素を補給するためにあるのです。
砂糖はマイルドドラッグとも呼ばれています。
グミやアイス、チョコレートやクッキー、ジュースなどのお菓子は、とくに疲れたとき、ストレスを感じたときに無性に口にしたくなりますね。確かに甘いものを食べると一時的にスッキリし、幸福感が得られるため、心の栄養とも言われます。ですが、その一方で砂糖依存性に陥っている方がたくさんおられます。砂糖との付き合い方を知らずに食べたくなるからと頻繁に口にしていると麻薬のようにやめられなくなります。何度でもたくさん食べたくなるように作られているのが市販で売られているお菓子やジュースなのです。怖いですね。砂糖は、ビタミンを消費するだけではなく、血糖値を乱高下させ多量に食べると眠気を引き起こします。脳への刺激も強いため、なかなかやめることができず、砂糖依存性に陥りやすいのです。対策としてまず、「遊離糖」から減らすことをお勧めします。?スポーツドリンクは経口補水液と違い、砂糖がたくさん含まれています。
遊離糖とは、加工された食品などに含まれる、製造過程で添加された砂糖のことです。 代表的なものに、乳酸菌飲料・清涼飲料水・果汁・パン、チョコレートや飴などのお菓子があります。毎日朝食でパンを食べる方は砂糖過剰摂取になっている場合があるため注意しましょう。遊離糖を控えたほうがよい理由として、加工されることによりあまり噛まなくても食べられる形態になってしまう、糖質の他に摂取したい必要な栄養素が不足するためです。
遊離糖でないものには、牛乳や果物、さつまいもなどがあげられます。おやつにはできるだけ遊離糖でないものを選びよく噛んで食べるものをお勧めします。また無性に甘いものを子供が欲しがり食べたくなるときはタンパク質不足も考えられます。おやつだけでなく、毎日の食事内容から栄養バランスを見直してみましょう。
間食回数の目安は一日1回!
幼児はエネルギー補給のため、3度の食事以外に補食が必要です。おやつ(補食)は一日1回が目安です。多くても2回以下にしましょう。
遊離糖でないものが虫歯にならないわけではありません。口の中に食べ物が入るたびに歯のミネラルが溶け出し虫歯になりやすくなります。歯肉炎も砂糖を取りすぎると歯肉の毛細血管が炎症起こし治りにくくなります。そのため、ダラダラ食いは止め、時間と量を決めて食べましょう。
また、寝ている間は唾液分泌がされないため自浄作用(口の洗浄作用)が働きづらくなります。就寝前の飲食は避けましょう。
残念ながらいくら歯磨き頑張っていても食生活が乱れていたら虫歯や歯周病は予防できません。悪くならないように予防しよう!と考えたとき、人はこれまでの生活に何かをプラスして行動しようとします。そのほうが簡単だからです。しかし病気になるには原因があります。そして身体は食べたもので作られています。原点に立ち返り原因がどこにあるかを突き止めることが大切です。虫歯や歯周病の原因は一つではありませんが中でも食生活の乱れは悪影響を与えます。摂取回数、量、おやつの選び方を工夫し改善してみましょう。
3歳未満は遊離糖を極力与えない!
3歳未満のお子さんはイヤイヤ期でじっとしていられず、仕上げ磨きは十分に磨けない時期です。この時期に、菓子パンやジュース、飴など歯にくっつきやすいもの、口の中に長く残りやすいもの、いつまでもダラダラ食べてしまうものを毎日食べてしまうのは虫歯になりやすく危険です。チョコレートなどの味を一度覚えてしまうとやめることが難しくなります。
乳酸菌飲料や飴、 チョコレートなども3歳まで与えず、お誕生日などに限定的に与えるなど工夫しましょう。
この時期は味覚形成の大切な時期でもあり、おやつは栄養補給としておにぎり、トマト、トウモロコシなどよく噛んで食べるものを与えると良いでしょう。よく噛むことで唾液分泌量が増えて、消化も良くなり自浄作用が働きやすくなるため虫歯になりにくく、腹持ちもよくなります。柔らかい食べ物ばかりだと噛む回数が少なくなり、唾液量も減り歯にプラークが付きやすくなります。噛む回数が減ると顎の成長も妨げ、歯並びに影響が出る場合があります。またおやつの時間だけでなく普段の食事からよく噛んで食べるようにお子さんに声掛けしてあげるとよいですね。
まとめ
おやつは3度の食事で足りないものを補うものです。
おやつ=甘いお菓子という概念を変え、栄養価の高い補食を与えましょう。
甘いものを上手に工夫することで、むし歯や歯周病になりにくくなるだけでなく、全身疾患の予防にも繋がり健康を保つことができます。お子さんだけでなく、保護者のみなさんも今一度甘いものとの付き合い方を見直し、お口から健康にしていきましょう!